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第10章 デジタル・ピンホールカメラで遊ぼう

デジタルピンホール写真の作例 

【はじめに】

デジタルカメラが発展したおかげで、ピンホール写真も簡単に撮影できるようになってきました。デジタルカメラの撮像素子が大きくなり解像度が上がり、ピンホール写真としての実用性も十分にあります。
そして フィルムや印画紙を使ったこれまでの銀塩のピンホール写真、ピンホールカメラより簡単に始められます。
また、銀塩のピンホールカメラでは考えられなかったことですが、デジタルのピンホールカメラは感度が高いので、ピンホール写真が手持ちで(三脚に固定せず)撮影できてしまいます。暗いところや夜間の撮影でもデジタルの方が圧倒的に簡単に撮影できます。
今後、デジタルピンホールカメラはピンホール写真の新たな世界を開きそうです。また誰でもピンホール写真を手軽に楽しめる時代になってきました。

ではデジタルピンホールカメラの簡単な作り方を紹介します。

この章で案内した作り方で実行される場合、安全には、自己責任において、十分注意して実施してください。 不注意で、怪我や、事故をされた場合、著者は、一切、いかなる責任も負いません。

 

【カメラについて】

レンズ交換式デジタルカメラのボディー(本体)
ミラー付の一眼レフ、ミラーレス一眼レフどちらでもできますが、より広角のピンホール写真を撮りたい場合は、ピンホールから撮像素子までの距離を短くできる、ミラーレス一眼レフがお勧めです。

 

【ピンホールの準備】


カメラのボディーキャップ(レンズをはずしたときに本体を保護するキャップ)を用意します。
ボディーキャップに穴を開けます。(写真1)
ボディーキャップのセンター(正確でなくてもOK)にドリルで5mm程度の穴を開けます。バリはヤスリなどで取って下さい。
ピンホールプレートを用意します。
第2章ピンホール(針孔)を作ろうを参照)
穴を開けたボディーキャップの裏側からピンホールプレートを貼ります。(黒パーマセルテープが良い)

Bodycap

ピンホールプレートを貼ったボディーキャップをカメラ本体にセットします。
これで撮影準備完了。

【裏技】デジタルカメラの最大の弱点はほこりやチリです。撮像素子にこれらがつくと丸い黒点ができたり、画像にノイズが沢山できてしまいます。ピンホールはただの穴なので小さくてもホコリやチリが入ってしまいます。そこで私はピンホールプレートに、UV(紫外線カット)の角型シートフィルターを小さく切って重ねて貼っています。
右の写真は私が使用しているシートフィルター。

filter

 

使用しているカメラ1

マイクロフォーサーズのミレーレス一眼。
こちらは素子が小さい分、ボディーキャップにそのままピンホールをつけると、標準レンズ程度の画角になってしまいます。35ミリカメラ換算で44mm程度(下段の写真)
そこで広角にするためにボディーキャップの前面をくりぬいて裏にプラスティック板をつけてそこにピンホールをセットしています。35ミリカメラ換算で28mm程度(上段の写真)

使用しているカメラ2】

フルサイズのミラーレス一眼。
素子が大きくかつフランジバック(ピンホールと撮像素子の距離)が短いので、そのままでかなりな広角(35ミリカメラ換算で21mm程度)になります。(上段の写真)
逆に標準画角にするためにマウントアダプターを使って距離を稼いでいます。(35ミリカメラ換算で約50mm)(下段の写真)

camera1-2
camera2-2



撮影

基本的には絞り優先オート(AE)モードが使えます。ホワイトバランスやISOは通常のカメラと同じです。ISOの選択で手持ちでも撮影できます。夜間など長時間撮影の場合は、AEモードではくマニュアルモードで露出時間を設定して撮ります。なお、カメラにはEVF(電子ビューファインダー)が付いているカメラがお勧めですが、機種によってはピンホールでは暗くて見にくいものもあります。(上の2機種は明るく使いやすいです)

デジタルピンホール写真の作例

 

公開:2015.7.29 更新:

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