目次へ戻る  

次のページへ→

第5章 撮影してみよう(1)

【5.作ったピンホールカメラで撮影してみよう】

【初めに】
3章で作った紙箱のピンホールカメラで撮影する方法です。ここでは印画紙を感光材料として使います。フィルムより初心者には扱いが簡単なためです。
なお、この章もページを分割してあります。

【1.印画紙をセットする】

暗室の中で、印画紙を1枚取り出し、表と裏を間違えないように、箱の底部に付けておいた、ループ状の粘着テープに、そっと貼り付けます。できれば、白手袋をして作業をすると、印画紙を汚す心配がありません。上から優しく押さえる要領です。

箱の大きさによっては、印画紙を事前に暗室中でカットしておく必要があります。キャビネ判の印画紙をそのまま使える大きさの箱で、カメラを作っておくと楽です。

ふたをして撮影準備完了。(ピンホールにはシャッター代わりの黒テープが完全に覆っていること)

☆もし用意した箱のふたが浅い(本体との重なり部分が狭い)場合は、暗室で印画紙をセットして、ふたをした後、外側からテープを巻いて、光漏れを防ぎます。

使用する印画紙はキャビネサイズのRCペーパーで2号程度が使いやすいです。また、多諧調印画紙を勧める人もいます。多諧調印画紙の方が、波長による感光特性に偏りが少ない為だそうですが、フィルターを付けないと、少し硬めになるので、はじめは号数印画紙の2号を使いましょう。
(最近は号数印画紙は入手が難しくなっています。多諧調印画紙でフィルターなしですとだいたい3号印画紙の調子になります。)

【2.構図の決め方】
一番基本的な構図の決め方です。この他には、画角を合わせた、ファインダーを自作してカメラの天に付ける方法もあります。また、同じ画角のレンズを付けた一眼レフ等のカメラを同じ場所から覗く方法もあります。しかし、以下の基本的な決め方の方が、ピンホールカメラらしくて、私は好きです。同じピンホールカメラを使い続けると、対象を見たときに、直感でだいたいの構図は分かるようになります。

制作した紙箱のピンホールカメラ(第3章参照)では、箱の上面と側面に、補助線(斜めの線)を引いておきました。この線を活用します。

上から見た図です。2つの補助線の延長線の内側が水平方向の写る範囲になります。

横から見た図です。垂直方向も同様に、2つの補助線の内側が写る範囲です。

慣れないうちは、定規などあてて見てみましょう。

【三脚へのセット方法】

もし、 箱の底面に三脚穴があれば、三脚にカメラをセットして、どこでも自由に狙えるわけですが、今回使うような、紙の箱では穴をあけて、ネジをつけるわけにもいきません。
一番簡単な方法は、適当な大きさの板を用意して、板の底面の中心にちょっと穴をあけ、三脚用のメスネジをボンドで固定した、補助具を作ることです。板と箱カメラの固定は、例えば板の両端にネジ釘をつけておいて、ゴムバンドでカメラを板に固定します。 そして板は三脚に固定できますから、今度は自由に、狙いたい方向にカメラを向けることができることになります。特に上下方向に傾けたいときは必需品でしょう。

次のページへ→

公開:2002.7.8 更新:2010.7.7 

目次へ戻る

copyright © 2002 Toshihiro HAYASHI all rights reserved.

無断転載は一切禁止します。